出典:NARUTO-ナルト- 巻ノ二十五 140ページ 著者:岸本斉史
万華鏡写輪眼とは
万華鏡写輪眼は写輪眼の上位の眼で、うちは一族の歴史の中でも開眼したものは数名しかいないとされる。写輪眼とは模様が異なるが、模様の変化は術者によって異なり、その眼に宿る能力も個々によって異なる。左右の眼で同じ術を宿す場合と、それぞれ異なる能力を宿す場合があり、二つの能力を開眼すると第三の能力、須佐能乎も開眼する。
開眼の条件は「最も親しい友を殺すこと」とイタチが語っているが、オビトは「最も親しいものの死」としており若干異なる。ただ、「最も親しいものの死」であれば自分で殺すことも含まれると考えられる。両者とも自身が開眼したときのことで判断しているのではないだろうか。うちは一族の歴史の中でも数名しか開眼していない万華鏡写輪眼は開眼条件が厳密にはわかっていないとも考えられる。
その能力は強大で、作中初めて使用したうちはイタチは幻術・月読でカカシを瀕死にし、天照で自来也の口寄せした岩蝦蟇の内臓を焼き払って見せた。ただしそれに伴うリスクも大きく、使用するほどに視力は低下していき最終的には失明に至る。
月読
うちはイタチの左目の瞳術。幻術で、空間も時間も質量も、全てイタチが支配する精神世界に引きずり込む。時間すら支配するため、通常の幻術とは違い現実世界の一瞬でダメージを体感してしまう。カカシと戦った際は72時間刀で刺し続け、精神崩壊寸前まで追い込んだ。
天照
うちはイタチの右目、うちはサスケの左目に宿った術。目のピントを合わせた場所から黒炎を発火させる。この黒炎は自来也の口寄せした火を吹く岩蝦蟇の内臓を焼き、通常の火遁の術の炎すらも焼いた。一度発火すると対象物が燃え尽きるまで消えないが、イタチは目を閉じることで、サスケは炎遁・加具土命によるコントロールで意図的に消すこともできる。使用時は目から出血を伴うほか必要とするチャクラも大きい。
炎遁・加具土命
うちはサスケの右目に宿った術。通常扱いの難しい天照の黒炎を自在に操り形状変化させることもできる。サスケはこの術で仲間の香燐に黒炎が燃え移ったのを鎮火したり、雷影と戦った際に黒炎を形状変化させて体を纏う盾を作ったりした。
神威
はたけカカシとうちはオビトの使用する術。視界にある特定の空間を異空間へ消し飛ばす術で、物体だけでなく爆発ごと飛ばしたりもできる。この異空間は実は左右の眼でつながっており、トビの異空間とつながっていたことから、トビの正体はカカシに写輪眼を託して死んだと思われたうちはオビトであることがわかった。
カカシは吸い込んで消し飛ばすだけだが、オビトは吸い込んだものを出し入れを自在に行うことができ、自身の体を異空間へ部分的に転移させることもできる。カカシもナルトに九尾のチャクラを分け与えてもらった際は八尾を吸い込み、出すことができた。
別天神
うちはシスイの瞳術。相手に幻術をかけられたことすら感じさせずに術にかけることができる、最高峰の幻術。シスイは右目を志村ダンゾウに奪われ、残った左目をイタチに託した。一度発動すると十数年使えないため、千手柱間のチャクラでもない限り多用はできない。
五影会談でダンゾウは中立国・鉄の国代表のミフネにシスイの写輪眼を使った幻術をかけている。その後ダンゾウはサスケとの戦いでもシスイの眼を使用しているが、柱間の細胞を取り込んだためサイクルが短くなったのか、五影会談で使用したのは別の術だったのかは厳密な描写がないため定かではない。
イタチはシスイの眼を自分の口寄せカラスに仕込み、自分の万華鏡写輪眼を見ると「木の葉を守れ」という幻術をかけるよう仕込んでいた。もともとはサスケとナルトが戦うことになった際、自分の眼を移植するであろうサスケにこの術をかけるためだったが、イタチが薬師カブトに穢土転生されてナルトと交戦した際に発動。
本来穢土転生された死者は術者に逆らうことができないが、それを幻術で塗り替えることでイタチはカブトの縛りを逃れ、自分の意思で動くことができるようになった。
須佐能乎(スサノオ)
万華鏡写輪眼の二つの能力を開眼すると同時に宿る第三の能力。体術や忍術に対して高い防御力を持つ像を自分を取り込むような形で出現させる。この像は攻撃にも使用することができ、イタチは十拳剣(とつかのつるぎ)や八咫鏡(やたのかがみ)を使った霊器を使用するほか、八坂ノ勾玉(やさかのまがたま)による遠距離攻撃などを見せた。
術の完成度によって像の姿が変わり、サスケが初めて使用した際は骸骨のような姿をしていたが、使用を重ねるごとに筋肉や皮膚のようなものが現れ、人の姿に近いものになっていった。うちはマダラは見たら死ぬといわれる完全体を使用することができ、その姿は尾獣に匹敵するほど巨大な鎧武者のようなものだった。
永遠の万華鏡写輪眼
本来使用に伴い視力が低下していく万華鏡写輪眼だが、他者の万華鏡写輪眼を移植することで視力が低下せず、瞳術の使用によるリスクもない永遠の万華鏡写輪眼と呼ばれる状態となる。眼の模様も変化し、両者の模様が重なり合ったような模様となる。
マダラが失明した際、弟イズナの両眼を移植することで回復しただけでなく、上記のように副作用がなくなることに気付いた。サスケも酷使により視力が著しく低下していたが、イタチの両眼を移植することで回復している。この移植は必ずしも成功するわけではなく、血のつながりが近い者の眼ほどに適合率が高い。
万華鏡写輪眼を持つ忍
うちはイタチ
作中最初に登場した万華鏡写輪眼を持つ忍。うちはシスイの死によって開眼した。
はたけカカシ
第二部で開眼。神威の異空間はオビトの右目とつながっている。
うちはサスケ
兄イタチを殺したことで開眼。その後はイタチの眼を移植し永遠の万華鏡写輪眼を得る。
うちはオビト
想い人であったのはらリンの死によって開眼。
うちはイズナ
幼少のころから兄マダラと競い合う中で共に一族初めての万華鏡写輪眼を開眼した。
うちはマダラ
弟イズナの眼を移植したことで永遠の万華鏡写輪眼を得る。その後輪廻眼まで開眼させている。