BORUTO ボルト -NARUTO THE MOVIE- の感想・考察

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出典:http://boruto-movie.com/

先日 NARUTO の最新作映画「 BORUTO ボルト -NARUTO THE MOVIE- 」がついに劇場で公開開始となったので早速見に行ってきました。これから見に行くという方のために重要部分のネタバレはなるべく避けつつ、見に行こうか迷っている方の参考になるようなレビューが書ければと思います。

とはいえあくまで映画を見た上での感想、レビュー記事ですし、映画を紹介する以上ある程度内容には触れることになるため、その点ご了承いただける方のみ先へ進んで下さい。

世界観について

まず世界観についてだが「 NARUTO 新時代開幕プロジェクト 」を謳っているだけあって、これまでの NARUTO の世界観とはかなり異なったものとなっている。

というのも科学技術がとんでもないスピードで発達しているのだ。

原作最終話でも木の葉の里の後ろに高層ビルが立ち並んでいたり、短編「七代目火影と緋色の花つ月」では大蛇丸がクローンを作り出すなど大きな科学発展の傾向は見られたが、この映画ではついに作品の重要要素である「アレ」にまで科学が適用されている。

もともとの NARUTO の時代観は鉄砲などの工業兵器が登場しない点や連絡手段に鷹を使っていることなどから見てもそれなりに古く、これが有名な忍者である服部半蔵の頃だとすると戦国時代~江戸時代初期ごろということになるが、この映画の時代は完全に平成そのものである。

※服部半蔵が本当に「忍者」と呼ぶべき人物だったかどうかは置いておく。

時代観が現代に近いというのは「忍者モノ」「時代モノ」としては珍しく、さらに作中でこれだけ急激に時代が進む作品もなかなか珍しいのではないだろうか。

ストーリー

物語はうずまきナルトの息子、ボルトの視点を中心に展開していく。

原作のラスボス、大筒木かぐやの城を調査していたサスケは、大筒木一族を名乗る「キンシキ」「モモシキ」と遭遇。戦闘になるもののなんとか離脱し、かぐやの城で見つけた巻物を里に持ち帰る。

ボルトたち下忍はちょうど中忍試験の時期。ボルトは最初は興味を示していなかったが、火影(忙しくて普段あまり構ってくれない父親)が見に来るということで参加を決意。いつになく張り切り「ナルトと唯一肩を並べる忍」であるサスケに弟子入りを志願する。

一方、科学忍具班班長のカタスケは中忍試験を自身の最新忍具を大勢の前で披露する絶好の機会ととらえ火影に直談判。使用禁止とされながらもボルトに目を付け…。

総評

NARUTO 原作者の岸本斉史先生が自ら脚本を担当、さらに初の製作総指揮をとり、「これ以上のものはもう僕には描けません…」とまで口にしただけあって、満足のいく時間を過ごすことができた。

ただこれまでの NARUTO とは大きく世界観(時代観)が異なることから好みが大きく分かれそうなところ。個人的には「そう来たか」と驚きはしたものの「NARUTO世界の新しい時代」として受け入れることができた。

ストーリー的にも従来のNARUTOの大きなテーマである「つながり」を描きつつ、「変わりゆくものと変わらないもの」、「力そのものではなく運用する人間が大切だということ」が盛り込まれ、良くまとまっていたと思う。

細かいところでどうしてもツッコミたくなるところはあったものの、それほど気にならない程度。少なくとも前回のような「 NARUTO 読んだことない奴が脚本書いたんじゃねーかコレ」感はない。(あくまで個人の感想です)

一応ツッコんでおくと「多重影分身は危険な禁術」ということはもはや原作者にも忘れられているらしい(笑)。

そういえばいかにもハッピーエンド的な雰囲気で締めくくられたけど、一人お亡くなりになったまま全く触れられていないような…。

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