出典:NARUTO-ナルト- 巻ノ一 54-55ページ 著者:岸本斉史
多重影分身の術とは
多重影分身の術は実体を作り出す高等忍術・影分身を複数作り出す術。影分身の術は術者のチャクラを均等に分ける性質があるため複数の影分身を作り出すことで大量のチャクラを消費する多重影分身の術は使うだけで命にかかわることもあり、初代火影によって禁術に指定され封印の書に封じられた。
影分身体が経験したことは術が解けるとオリジナルに還元されるため偵察など情報収集にも適した術であるが、このあたりの設定はやや曖昧で「経験値は還元されるのにダメージは還元されていない」「影分身を解いていないのに情報がオリジナルに還元されている」といった場面もしばしばみられる。
混同されがちだが「影分身の術」自体は禁術指定されておらず上忍クラスの忍術だが、分身を複数行う「多重影分身の術」に限って禁術指定されている。しかし波の国でカカシが多重影分身の術を使っている場面もあるため禁術とはいえ一部の忍は会得しているようである。
ナルトと多重影分身の術
ナルトは忍者アカデミーの卒業試験に落ちた際ミズキにそそのかされ封印の書を盗み出しこの術を会得した。分身の術が苦手だったにもかかわらず半日ではるかに高等な忍術を会得したのには驚かざるを得ない。
もともとチャクラ量がずば抜けて多い上にさらに九尾のチャクラを持つナルトには最適の忍術で、千人近くまで分身することができる。
螺旋丸や風遁・螺旋手裏剣、仙人モードの会得にも大きく関わっており、後半は影分身の経験値がオリジナルに還元されるという特性を活かした修行法を使って修業期間を大幅に短縮しているが、これができるのは飛び抜けたチャクラ量を持つナルトくらいのものらしく、カカシもこの修行法を考案したものの実践できなかった。
応用力
偵察や情報収集、追跡から戦闘まで応用の幅は広い。ただ戦闘ではチャクラを分散してしまうことになるため使いどころを選ぶ術でもあり、三代目火影は衰えていたこともあり大蛇丸の戦いではなかなかこの術を使いたがらなかった。
ナルトも仙術を使用する際は三人までしか分身できないなど、分身すればするほど一人あたりの能力は下がってしまう。それにしてもナルトはあれだけチャクラを分散させても強敵と渡り合えるのだから影分身を使わなければ単体でもかなり強いのではないかと思ってしまうが、戦闘の際には必ずといっていいほどこの術を使用している。